この記事をご覧の多くの方がBMW 3シリーズ G21 318iのブレーキパッド交換に関心を持たれていることだと思います。
本記事では、BMW・MINI認定テクニシャンによるBMW・MINIの特徴、作業の流れ、さらにはBMW正規ディーラーに依頼した場合の費用との比較を詳しく解説しています。
整備士の皆様や、ブレーキパッド交換を検討中のユーザーの皆様にとって、この情報がお役に立てば幸いです。



この記事を書いたスタッフ
メカニックの川口 雄大と申します。ディーラーで12年以上働き、BMWおよびMINIのシニアテクニシャン資格と検査員資格を取得しています。ディーラー時代には、工場長を任され5年以上の経験があり、故障診断を得意としています。これらの経験を活かし、お客様にご満足いただけるよう精進してまいります。
BMWグループ認定 保有資格
- BMWシニアテクニシャン資格
- MINI(ミニ)シニアテクニシャン資格
- 検査員資格
BMW 3シリーズ G21 318iの特徴



BMW 3シリーズ G21 318iは、エレガントなデザインと高い走行性能を兼ね備えたプレミアムワゴンです。
1.5リットル直列3気筒ガソリンエンジンを搭載し、後輪駆動(FR)を採用しているため、安定したハンドリングと快適な乗り心地を提供します。
また、広い荷室と高品質なインテリアが特徴で、長距離ドライブや日常の使用においても優れた実用性を発揮します。
最新の安全技術と先進的なインフォテインメントシステムも装備されており、ドライバーと乗員の快適性と安全性を確保したモデルです。
一般的にはブレーキパッドの交換時期は30,000~50,000kmとされていますが、BMW 3シリーズ G21 318iもおおよそ同じ時期での交換となります。
また、BMWのブレーキパッドは、異なるモデル間での互換性が高いため、整備士は多くの特別な工具や部品を持つ必要がなく、効率的に作業を行うことができます。
したがって、異なるモデルと比較しても工賃料金に大きな差はなく、ブレーキパッド(ブレーキパッドとセンサー)の部品代のみで交換費用が決まるでしょう。



AOPブレーキパッドの種類と性能



BMWの純正ブレーキパッドは、主にATE(アーテ)が使用されていますが、今回はコスト面を下げるためにAOPの低ダストブレーキパッドを使用しています。
AOPは、阿部商会のオリジナルブランドで、ブレーキダストの発生を抑え、ホイールの汚れを軽減する特徴があり、ディスクローターへの攻撃性も少なく、パッドおよびローターの寿命が延びるよう開発がされています。
今までBMW正規ディーラーで整備をされていて乗り心地を変えたくない方は、ATE製のブレーキパッドがおすすめですが、ATEの代替部品として使用することも何ら問題はありません。



ブレーキパッド(ブレーキパッドセンサー)を交換する際に必要な工具
BMW 3シリーズ G21 318iのブレーキパッドを交換するには、以下の工具が必要です。



- ソケットレンチ(14mm)
- ブレーキグリス
- パーツクリーナー
- トルクレンチ
- マイナスドライバー
- ブレーキピストンリセットツール
- スパナレンチ(17mm)
工具は有名メーカーのものがお勧めですが、特にこだわりのない方であればAmazonや楽天などといったECサイトで各工具名で検索して購入されても良いでしょう。



BMW 3シリーズ G21 318iのブレーキパッド交換の流れ
事前準備



電動のサイドブレーキを装備している車両でリアブレーキパッドを交換する際は事前準備として、サイドブレーキをテスターで工場モードに入れて作業する必要があります。
工場モードにいれず、無理に作業するとキャリパーのピストンを縮められない為、最悪の場合、故障の原因となるため注意が必要です。
そして、ブレーキフルードを”少し”タンクから抜きます。
これは後に解説するブレーキキャリパーのピストンを戻した際に逆流することを防ぐためです。




ブレーキフルードとは、自動車などの液圧式ブレーキシステムにおいて、油圧を伝達するために使用される液体です。一般に「ブレーキオイル」とも呼ばれています。ブレーキペダルの力をブレーキシステムの各部に伝える役割を持ち、適切な制動力を確保するために非常に重要な役割を果たします。
ホイールを外す



まずはホイールを外します。
リフトアップする前(タイヤが地面に接触している間)に軽くナットを緩め、次に車を安全にリフトアップし、ホイールナットを緩めてホイールを取り外します。
この際にホイールを車から水平に引き出して取り外します。ホイールを傷つけないように注意してください。
古いブレーキパッドを取り外す



ホイールを外すとブレーキパッドを取り付けるブレーキキャリパーの位置が確認できます。
ソケットレンチを使用して、キャリパーを固定しているボルトを緩め、キャリパーをローターからスライドさせます。
スライドさせると古いブレーキパッドとブレーキパッドセンサーが取り外せるので、取り外した後にキャリパーをパーツクリーナーで清掃しましょう。
ブレーキシステムおよびブレーキパッドにグリスを塗布する



ブレーキパッドを取り付ける前にブレーキパッドおよびブレーキシステムの背面にブレーキグリスを塗布(摩擦面には塗布しないでください)します。
新しいブレーキパッドを取り付ける



ブレーキピストンリセットツールを使用して、ブレーキキャリパーピストンを圧縮します。
あとはブレーキパッドを取り出した手順と逆の手順でキャリパーを元の位置に戻し、トルクレンチを使用してボルトを指定のトルク(35Nm)で締め付け、最後にホイールを元に戻せば完了です。
ブレーキペダルの確認とテスト走行



作業が完了したら、エンジンを始動し、ブレーキペダルを数回踏んでパッドが適切に座るようにテストします。
その後テスター等によりサービスインターバルをリセットします。
車をゆっくり走らせてブレーキの効きを確認し、警告灯がリセットされていること、そして事前準備のブレーキフルードのレベルが適切であることを確認し、テスト走行とブレーキのあたりをつければ作業は完了です。
BMW 3シリーズ G21 318iのブレーキパッド交換の流れのまとめと費用比較






BMW 3シリーズ G21 318iのブレーキパッド交換は、必要な工具も少なく、慣れている整備士であれば1時間程度で交換できる比較的に難易度が低い作業です。
しかし、ブレーキパッドの交換は、安全に関わる重要な整備のため、経験が浅かったりDIYに自信のない方は、無理せず専門の整備工場に依頼することをおすすめします。
最後に下記にBMW正規ディーラーと一般の整備工場で交換された際の費用比較を表にしています。
BMW 3シリーズ G21 318iのブレーキパッドを交換する際の目安にしていただければ幸いです。
BMW正規ディーラー | 一般の整備工場 | |
---|---|---|
ブレーキパッド交換 | おおよそ60,000円 | おおよそ45,000円 |



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