01 症状:BMW E90 3シリーズ 325iの車検時のブレーキ警告灯点灯
お客様のBMW E90 3シリーズでは、車検時にブレーキ警告灯が点灯し検査を通過できない状態でした。
- ブレーキ警告灯の点灯 — 摩耗センサーが規定の摩耗量を検知して点灯
- 車検検査不適合 — 警告灯点灯によりブレーキ系統の検査を通過できない
- 摩耗状態の実測が必要 — ブレーキパッド・ディスクローターの状態を数値で確認
- 公道走行の継続不可 — 車検基準を満たすディスクローター厚さの確保が必要
ブレーキ警告灯は、ブレーキパッドの摩耗センサーが規定の摩耗量を検知した際に点灯する仕組みです。
今回のお車では、点灯した警告灯が車検検査でブレーキ系統に問題があることを示しており、ブレーキパッド・ブレーキディスクローターの摩耗状態を実測で確認する必要がありました。
公道走行を継続するには、車検基準を満たすディスクローター厚さの確保と、ブレーキパッドの整備上の推奨残量の回復が必要な状態でした。
車検時のブレーキ警告灯はパッドセンサー切れだけでなく、ディスクローターの摩耗限界が同時に来ているケースもあります。両方を同時に確認することで判断のずれを防ぎやすくなります。
02 診断:BMW E90 3シリーズ 325iのブレーキディスクローター厚さの実測

マイクロメーターでブレーキ部品を実測し、摩耗状態を数値で確認しました。
- ディスクローター厚さ測定 — 実測値20.7mm(車検基準の限度値22.4mm)。基準値を1.7mm下回り、車検検査基準を満たせない状態
- ブレーキパッド残量確認 — 残量1.5mm(整備上の交換推奨レベル)。なお、車検の保安基準にブレーキパッドの厚さの規定はありませんが、安全性を考慮するとディスクローターの交換にあわせて同時交換が推奨されるレベル
ディスクローターは表面が摩耗して徐々に厚さが減少する消耗部品です。
E90 325iの限度値22.4mmを実測値が下回っていたため、ATE製ディスクローターおよびパッドの同時交換が必要と判定しました。
ディスクローター厚さは目視では判断できず、マイクロメーターでの実測が必要です。限度値はローター側面に刻印されているため、その数値と実測値を比較して判定します。
03 修理:ATE(アーテ)製ブレーキディスクローターおよびパッドへの交換

ATE(アーテ)は1906年にドイツで創業されたブレーキシステム専門ブランドで、現在は世界的な自動車部品サプライヤーであるContinental(コンチネンタル)グループの一員です。
BMW・MINI・メルセデス・ベンツ・アウディなど欧州プレミアムブランドの純正ブレーキOEMサプライヤーとして長年の実績を持ち、当整備工場でも純正同等の品質を求めるブレーキ修理で多用しています。
ATE正規品のブレーキディスクローターは、ディスク表面に限度値が刻印されており、次回の交換判断が容易です。
ATE製と謳っていても刻印がないものは模倣品の可能性が高いため、購入時には確認が必要です。
ATE製ディスクローターはランナウト(回転の振れ)3/100mm、厚みの誤差1/100mmの精度で管理されており、純正同等の制動性能と耐久性を実現します。
今回は、ATE製ブレーキディスクローターおよびブレーキパッドで交換しました。
交換工程は次の通りです。
- 車両リフトアップ — 安全な作業環境の確保
- ブレーキキャリパー分解 — 旧部品の丁寧な取り外し
- 新品部品組み付け — メーカー規定トルクでの確実な固定
- システム調整 — ブレーキフルードのエア抜きと機能確認
作業完了後の実車テストで制動性能の回復と車検基準への適合を確認し作業完了となります。
ATEは純正OEM供給元のため品質基準は純正同等です。ディスクローターとパッドは同時交換するのが一般的で、片方だけだと当たり面が出ず鳴きや偏摩耗が発生しやすくなります。
国内ECに部品がない場合は、海外オークションの
セカイモン経由で中古部品を探す選択肢があります。
04 BMW E90 3シリーズ 325iのブレーキが効かない故障診断とブレーキパッド・ブレーキディスクローターの交換・修理費用のまとめ

BMW E90 3シリーズ 325iの車検時ブレーキ警告灯点灯に対し、ATE製ブレーキディスクローターおよびパッドを同時交換し、修理費用は約75,000円で完了しました。
ディスクローターの交換時期は走行距離6〜8万kmが目安ですが、運転環境により摩耗速度が異なるため、車検時の実測値で交換判断を行うことが確実です。
ブレーキパッドとディスクローターの同時交換は、作業工賃を抑えられるだけでなく、ブレーキバランスも整うメリットがあります。
ディスクローター摩耗限度値の見方や交換判断については、BMWのブレーキディスクローター交換ガイドで詳しく解説しています。