BMWの鍵(スマートキー)の電池交換の手順を元BMW整備士が解説
BMWのスマートキーはCR2032型またはCR2450型のボタン電池で動作しており、マイナスドライバー1本あれば約5分で交換ができます。
電池の寿命は約1〜2年で、残量が低下するとメーター内に警告灯が表示されます。
BMWのスマートキーは、近づくだけでドアロックが解除される「コンフォートアクセス」機能や、車両の盗難防止システムと連動した暗号化通信を備えた精密機器であるため、交換される電池の種類によっては、細心の注意が必要です。
本記事では、電池切れが起こった場合の比較的簡単なボタン電池の交換手順とカバーの外し方、スマートキーが認識しない(エンジンかからない)場合の対処法、そして、蓄電池式スマートキーの扱いについて解説します。
01 ボタン電池の交換手順
BMWのボタン電池式スマートキーであれば、正しい手順と適切な工具があれば、誰でも比較的簡単に交換できます。
1. 用意するもの

- 先端部の刃幅が3mm程度のマイナスドライバー
- CR2032型またはCR2450型ボタン電池 — 車種によって電池の型番が異なるため、交換前に現在の電池の確認が必要
電池はダイソーなどで購入できる安価なものでもよいですが、なるべく品質の良いものを買うようにしましょう。
ちなみに当整備工場は家電量販店で購入できる日本製のボタン電池を採用しています。
近場でボタン電池が手に入らない方は以下から購入できます。
2. 内蔵キーを抜く

まず、スマートキーの裏側にある小さなボタンを押しながら、中に収められている金属製の内蔵キーを引き抜きます。
3. スマートキーのカバーの外し方

次に、内蔵キーを抜いた四角い穴にマイナスドライバーを差し込み、てこの要領で持ち上げます。
ケースは、留め具で固定されているため、無理に力を入れると留め具が割れてしまう可能性もあります。
ゆっくり均等に力をかけながら持ち上げましょう。
4. ボタン電池を交換する

ケースが二つに分かれ、片方のカバーを外すと、小さな基板(電子回路)とボタン電池が見えます。
基板に傷をつけないよう注意しながら、電池を固定している金属のクリップをマイナスドライバーで外します。
新しいボタン電池のプラス面(+の刻印がある面)が上になっていることを確認し、電池を取り替えます。
5. カバーを元に戻す

逆の手順でケースを閉じ、留め具がきちんと溝にはまって「カチッ」と音がすれば組み立て完了です。
最後に内蔵キーを押し込んで作業終了となります。
ボタン電池式の交換で失敗しやすいのは、シェルを開ける際に内部基盤を曲げてしまうことと、電池の向き(+/-)を逆に入れてしまうことです。手元の照明を確保し、慎重に作業すればトラブルなく完了します。
02 電池交換後に警告灯が表示された場合の対処法

電池交換後に警告メッセージが表示される場合がありますが、車両にスマートキーを認識させることで対処できます。
ケースは以下の二つです。
- キースロット装備車 — キースロットにスマートキーに内蔵されてある物理キーを差し込む
- キースロット非装備車 — ステアリングコラム右側の「鍵マーク」付近にスマートキーを近づける
二つ目のケースが大半かと思いますが、車両がスマートキー(物理キー)を認識すると警告灯が消え、通常通りエンジンが始動できます。
一度では認識しない場合があるため、認識するまで何度か試してみましょう。
それでも警告が消えない場合は、電池の向きが間違っていないか、電池自体に問題がないか確認が必要です。
03 蓄電池式スマートキーの電池交換の場合
一部のBMWには、充電式の蓄電池を内蔵したスマートキーが採用されています。
車両のワイヤレス充電パッドやUSB端子を使って充電が可能な仕組みですが、蓄電池が劣化した場合の交換はボタン電池式とは異なります。
主に、蓄電池はキーシェル内部の基板にハンダで固定されているため、交換にはキーシェルの殻割りとハンダによる溶接作業が必要になります。
また、キーシェルの内部には精密な基板が収められており、殻割りの際に基板を破損させると鍵そのものが使用できなくなります。
使用できなくなった場合は、ディーラーからの新調(取り寄せ)が必要となるため、費用も高額になります。
| BMWディーラー | 当整備工場 | |
|---|---|---|
| キーシェル交換費用 | 50,000円程度 | ディーラーの半額以下 |
蓄電池式のキーシェルは爪が複雑に組み合わさっており、無理にこじ開けると爪が折れて再使用できなくなる構造です。一度破損すると修復は難しく、キー新調が必要になります。
04 BMWスマートキーの電池交換のまとめ
ボタン電池式のスマートキーであれば、ボタン電池(CR2032型またはCR2450型)とマイナスドライバーがあれば約5分で交換ができます。
また、電池交換後にスマートキーが認識しない(エンジンかからない)場合は、キースロットへの差し込みやステアリングコラムへの近接で対処できます。
一方の蓄電池式の電池交換はキーシェルの殻割りが必要となるため、DIYでの対応は困難です。
ディーラーから新調されるか、修理を得意とされている業者に依頼されるのが宜しいでしょう。
蓄電池式の電池交換は、当整備工場でも承っております。
詳しくは、E87 1シリーズのスマートキー修理事例をご覧ください。
この記事に関するよくある質問
BMWディーラーに電池交換を依頼するとどうなりますか?
BMWディーラーでは電池交換ではなくキー新調を提案されるケースが多く、新調費用は50,000円程度になります。ボタン電池式(CR2032/CR2450型)であれば、ご自身で交換するか、修理対応の整備工場にご相談いただくのが経済的です。
蓄電池式スマートキーは自分で電池交換できますか?
蓄電池式の場合、キーシェルの殻割りとハンダによる溶接作業が必要なため、DIYでは破損リスクが大きく、もし破損すると新調に50,000円程度の費用が発生します。修理対応の整備工場でも蓄電池の交換修理を承っているため、整備工場にご相談ください。
安価な電池を使うとどんなリスクがありますか?
安価な電池は液漏れを起こすリスクがあり、キー本体が故障すると修理に高額な費用がかかります。当整備工場では家電量販店で購入できる日本製のボタン電池を採用しているため、ダイソーなどで購入できる安価品でも問題なく使用できますが、なるべく品質の良いものを選ぶことをおすすめします。
ボタン電池の交換にかかる時間はどのくらいですか?
作業時間は約1〜5分です。マイナスドライバー1本とCR2032型またはCR2450型のボタン電池があれば、ご自身で簡単に交換可能です。費用も電池代のみで済みます。
電池交換後も警告が消えない場合はどうすれば良いですか?
まず電池の向き(プラス面が上)が正しいか確認してください。それでも改善しない場合は、車両システムに認識させる特別な手順が必要です。キー差し込み口への挿入や、鍵マーク近くへの接触を試してみてください。























