01 症状:BMW 1シリーズ E87 120iのスマートキーが反応しない
BMW 1シリーズを所有されているお客様から、スマートキーが反応しないとご相談いただきました。
確認できた症状は次のとおりです。
- リモコン機能停止 — ドア施錠・解錠が全く反応しない
- LEDランプ消灯 — ボタン押下時の視覚フィードバックなし
- 電波発信なし — 車両側が信号を受信できない状態
- 物理キー依存 — 手動での施錠・解錠のみ可能
これらは、蓄電池の完全放電と内部電源回路の機能停止を示す典型的な症状です。
E87のスマートキーは圧接式の非分解構造のため、一般的なボタン電池交換とは異なる対応が必要です。
E87のスマートキーは寿命末期に近づくと反応する距離が徐々に短くなる傾向があります。車のすぐ近くまで来ないとロック解除できない、ボタンを何度か押さないと反応しない、といった段階で点検するのが望ましいタイミングです。
02 診断:BMW 1シリーズ E87 120iのスマートキーシェルの殻割りと蓄電池の電圧測定

専用工具でキーシェルの殻割りを行い、内部基盤と蓄電池の状態を確認いたしました。
実施した診断内容は次のとおりです。
- キーシェル殻割り — 専用工具による慎重な分解作業
- 蓄電池取り外し — 基盤から電池を安全に分離
- 電圧測定 — 規定値との比較による劣化確認
- 基盤点検 — 接続部の腐食や損傷の確認
電圧を測定したところ、蓄電池の電圧が規定値を大幅に下回り、完全放電状態であることが確認できました。
また、基盤の接続部分には軽微な腐食が見られ、使用年数10年程度の自然劣化と判断しました。
腐食部分の処理と合わせて蓄電池の交換修理を実施いたします。
10年経過のキーは蓄電池の自然劣化が大半です。基盤の軽微な腐食もこの時期に出やすく、同時に清掃することで再発防止につながります。
03 修理:蓄電池の交換とハンダによる接続の復旧
BMW E87の規格に適合した高品質蓄電池に交換し、ハンダ付けで基盤に接続しました。
実施した交換工程は次のとおりです。
- 古い蓄電池の取り外し — 固着部分の慎重な分離作業
- 接続部のクリーニング — 腐食除去と表面処理
- 新品蓄電池の取り付け — 精密ハンダによる確実接続
- 機能確認テスト — 電波発信と動作確認
ハンダ作業では基板への損傷を防ぐために、適切な温度管理の下、慎重に交換修理を実施いたしました。
また、交換後は電波発信テストで全機能の正常動作を確認し作業完了となります。
ハンダ作業は温度管理が重要です。基盤を傷めるとキー全体の作り直しになるリスクがあり、専用機材のある整備工場での作業が安全です。
04 BMW 1シリーズ E87 120iのスマートキー無反応の故障診断と蓄電池の交換・修理費用のまとめ

今回は、BMW 1シリーズ E87 120iのスマートキーが反応しない症状を、蓄電池の交換によって復旧いたしました。
ディーラーでは蓄電池の交換修理を行っていないため、キーの新調が必要となり、その費用は車種により異なりますが50,000円以上となるのが一般的です。
一方、当整備工場での今回の修理費用は約17,000円と、ディーラーで新調された場合の半分以下に収まります。
E87のスマートキーの電池交換はキーシェルの殻割りが必要で、内部の蓄電池は基盤にハンダで固定されているため、DIYでの対応は困難です。
スマートキーが反応しなくなりお困りの際は、ぜひ当整備工場までご相談ください。
BMWのスマートキーのボタン電池の交換手順・蓄電池の見分け方についてはBMWのスマートキー電池交換ガイドで詳しく解説しています。