BMWのCarPlay(ナビ)でAndroidが使用する。AIBOXの取付および設定手順についてBMW整備士がやさしく解説
この記事をご覧の皆様の中には、BMWのナビ画面でYouTubeやNetflix、Android Autoなどのアプリを使用したいと考えている方もいらっしゃることと思います。
BMWのCarPlayシステムは車両の情報表示や操作の中核を担う重要なインターフェースですが、現在日本国内のBMW車両では標準的なAndroid Auto接続に対応していない仕様となっています。
不適切な機器の取付や設定ミスは、車両の電子システムに悪影響を与える可能性があり、最悪の場合は高額な修理費用が発生するリスクもあります。
そこで今回は、BMWのCarPlayでAndroid機能を安全に使用するためのAIBOXについて、適切な取付手順から設定方法、おすすめ製品の選び方まで、BMW整備士の経験をもとに詳しく解説してみたいと思います。
BMWユーザーの皆様が安心してAndroid機能をご利用いただけるよう、お役に立てれば幸いです。
Yusuke Yotsuda
この記事を書いたスタッフ
GNARLY automobile(ナーリー オートモービル)のホームページをご覧いただき誠にありがとうございます!私はこの大好きなBMW/MINIの整備を通じて、お車のサポートは勿論、お客様とより良いお付き合いをさせて頂ければと思っております。その様な関係を築ける様、精一杯のサービスをご提供させていただきますのでお気軽にご相談ください。
BMWグループ認定 保有資格
目次
AIBOXに関する基礎知識
AIBOXを取り付けた様子
AIBOXは、BMWの高度なiDriveインターフェースでAndroid機能を実現する画期的なソリューションです。
BMW独自のConnectedDriveサービスと連携したインフォテインメントシステムは、リアルタイム交通情報や車両状態監視などの先進機能を提供していますが、日本国内のBMW車両ではAndroid Autoの利用が標準では対応していない仕様となっています。
この背景には、BMW独自のコネクテッドサービスとの兼ね合いや、日本の電波法規制への対応、セキュリティ面での配慮があります。
一方でApple CarPlayは標準対応しており、このCarPlayプロトコルを利用してAndroid機能を実現するのがAIBOXです。
Android OSを搭載した小型コンピューターであるAIBOXは、BMW車両からはApple CarPlayデバイスとして認識されながら、実際にはAndroid機能を提供します。
格安AIBOXで起こるよくある症状
AIBOXの起動画面
格安AIBOXを使用した場合、BMW車両で様々な不具合が発生することがあります。
最も多いのは起動時間の異常な遅延で、Android OSの立ち上がりに10分以上かかるケースです。
これは低スペックCPUと不十分なRAM容量が原因で、エンジン始動のたびに長時間待機することになり、実用性が著しく低下します。
また、動画再生中のフリーズや音声の途切れ、タッチ操作への反応遅延も頻発し、運転中の安全な操作に支障をきたします。
電波法未対応の製品では、Wi-Fi接続が不安定になったり、完全に接続できない状況も発生し、結果的に再購入が必要となるケースが少なくありません。
格安製品の選択は、短期的なコスト削減が長期的な不便と追加費用につながることが多いため、注意が必要です。
AIBOXの取付・設定手順
BMW車両へのAIBOX取付および設定は以下の手順で実施します。
作業前の必須条件として、車両にApple CarPlay機能がインストールされている必要があります。
STEP
AIBOXの接続
AIBOXを車両のUSBポートに接続します。
STEP
車載システムのメディア設定
iDriveコントローラーまたはタッチスクリーンから「メディア」→「携帯機器」→「新規機器」の順に選択します。
この時点でAIBOXのAndroid OSが完全に起動するまで2-3分待機してください。
STEP
デバイス認識の確認
AIBOXが認識されない場合は、USBケーブルを一度抜き、30秒待機してから再接続します。
Android起動には時間がかかるため、最大5分程度の待機時間を見込んでください。
STEP
新規デバイスの選択
「携帯機器」メニューの下部に新規デバイスが表示されたら選択します。
表示されない場合は手順2に戻り、USB接続をやり直してください。複数回の試行が必要な場合があります。
STEP
CarPlay接続の実行
認識されたデバイスを選択し「CarPlay接続」を実行します。
PINコード確認画面が表示されますが、AIBOXは画面を持たないため自動接続されます。
STEP
接続完了の確認
「BMW SMART BOX」の接続アニメーションが表示され、Android画面がナビに映し出されれば接続完了です。
初回起動時はAndroidの初期設定も併せて実行してください。
BMWのAIBOXの取付・設定でよくあるトラブル事例
- CarPlay未インストール車両でのAIBOX接続エラー
-
F30系3シリーズでAIBOXを接続しようとしたが、認識されず接続できない事例がありました。原因はCarPlayソフトウェアが未インストールの状態だったためで、BMW正規ディーラーでのCarPlayインストール後に正常に動作するようになりました。事前のCarPlayのインストールの確認が重要です。
- 電波法未対応製品によるWi-Fi接続不良
-
海外製の未認証AIBOXを使用した5シリーズで、Wi-Fi接続が頻繁に切断される問題が発生しました。日本の5GHz帯規格に対応していない製品だったため、動画ストリーミングが不安定になり、結果的に認証済み製品への買い替えが必要となりました。
- Android OSアップデートによる起動不良
-
正常に動作していたAIBOXで、Android OSの自動アップデート後に起動しなくなるトラブルが発生しました。アップデートにより互換性が失われ、BMW車両で認識されなくなったため、初期化作業が必要となり、設定やアプリのデータがすべて消失してしまいました。
BMWにおすすめのAIBOXとまとめ
CarPlayでAndroidを使用したNetflixのイメージ画像
BMW車両に最適なAIBOXとして、日本の5GHz帯Wi-Fi通信に対応し、Android 10(Q)を搭載した4GB RAM、64GB内蔵ストレージを備えた高性能モデルを推奨します。
この製品は日本の電波法に完全準拠し、BMWのiDriveシステムとの互換性が検証済みで、約35,000円という価格でAndroid機能を楽しむことができます。
今回解説したとおり、CarPlayの事前インストールが必須条件であり、不適切な製品選択や設定ミスは車両の電子システムに不具合を生じさせるリスクがあります。
特に重要な注意点として、Android OSのアップデートは絶対に実行せず、購入時のバージョンを維持してください。
G世代以降のBMW車両であれば基本的に対応可能ですが、iDriveのバージョンによりソフトウェアが対応出来ていない場合があるので、適合確認を怠らないよう注意が必要です。
BMWユーザーの皆様の快適なドライビング体験のために、この記事が安全で確実なAIBOX導入のお役に立てれば幸いです。
- BMWでAndroid機能を使用するにはAIBOXが必要で、CarPlayのインストールが必須
- 取付作業は6つのステップで実施し、Android OSの起動待機時間や複数回の試行が必要な場合もある
- CarPlay未インストール、電波法未対応製品、OSアップデートなどが主なトラブル原因となり、適合確認が重要
- 推奨製品は4GB RAM搭載で日本電波法完全準拠モデルで、Android OSのアップデートは絶対に実行せず購入時バージョンを維持する
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