MINI R55 COOPER S のオイルフィルターハウジングからオイル漏れが発生する原因は、ガスケットの経年劣化です。
オイルフィルターハウジングはエンジンオイルの循環経路上にあり、オイルフィルターを収めるケース部分とシリンダーブロック接続部のガスケットが劣化することでオイル漏れを引き起こします。
オイル漏れを起こしている個所から的確な目視点検により、劣化したガスケットを特定し、新品ガスケットへの交換修理を実施いたします。
実際の修理事例では、症状確認から交換作業、規定トルクでの締付けまでの流れと費用について詳しくご紹介いたします。
同様のオイル漏れトラブルでお困りの方への参考事例となれば幸いです。
Yusuke Yotsuda
この記事を書いたスタッフ
GNARLY automobile(ナーリー オートモービル)のホームページをご覧いただき誠にありがとうございます!私はこの大好きなBMW/MINIの整備を通じて、お車のサポートは勿論、お客様とより良いお付き合いをさせて頂ければと思っております。その様な関係を築ける様、精一杯のサービスをご提供させていただきますのでお気軽にご相談ください。
BMWグループ認定 保有資格
今回、整備をするMINI R55 COOPER S
| 項目 | 詳細 |
|---|
| 車種 | MINI R55 COOPER S |
| エンジン型式 | N14 |
| 主な症状 | オイルフィルターハウジングからのオイル漏れ |
| 使用部品 | オイルフィルターハウジングガスケット・オイルエレメントセット・エンジンオイル |
| 車検への影響 | オイル漏れによる地面への滴下は車検不適合 |
修理の概要
目次
オイルフィルターハウジングからオイル漏れする症状と診断および修理作業はどのようなもの?
STEP
症状:オイルフィルターハウジング周辺からのオイル漏れ
オイルフィルターハウジングからオイル漏れしているところ
お客様のMINI R55では、オイルフィルターハウジング周辺からのオイル漏れ症状が発生していました。
詳細なヒアリングにより、オイルフィルターハウジングのガスケット劣化による以下の症状を確認いたします。
- エンジン下部のオイル汚れ – ハウジング接合部から漏れ出したオイルがエンジン周辺に付着
- 駐車場所の地面へのオイル滴下 – 漏れ量が多い場合は地面にオイル痕が残る
- オイル量の低下 – 継続的なオイル漏れによるエンジンオイル量の減少
- 焦げたような異臭 – 漏れたオイルが高温のエンジン部品に触れることで発生
症状はオイルフィルターハウジングのガスケット劣化が主原因で、熱サイクルによるガスケットの硬化や変形により密閉性が失われた状態です。
放置するとエンジンオイル量が不足し、エンジン内部の潤滑不良や最悪の場合はエンジン焼き付きにつながる危険な状態となっていました。
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STEP
診断:目視点検とオイル漏れ箇所の特定
オイルフィルターハウジング周辺の詳細点検
症状の根本原因を特定するため、エンジンルーム内の目視点検によって、包括的なオイル漏れ診断を実施しました。
オイルフィルターハウジングの現在の状態を正確に把握し、ガスケット交換の必要性を判断いたします。
- オイルフィルターケースとシリンダーヘッド接合部の漏れ – ガスケット劣化による機密不良
- オイルフィルターキャップ部の漏れ – キャップガスケットの硬化や変形
- 周辺部品へのオイル付着状況 – 漏れの程度と継続期間の推定
診断によりオイルフィルターハウジングのガスケットが経年劣化し、シール性能が低下している状態が確認されました。
N14エンジンのオイルフィルターハウジングは熱による影響を受けやすく、どの車両もよく漏れる部分となっております。
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STEP
修理:オイルフィルターカバー取り外しとキャタライザーの脱着
オイルフィルターハウジングのガスケット交換前にクーラントを抜いているところ
診断結果を踏まえ、オイルフィルターハウジングのガスケット交換修理を実施しました。
N14エンジンのオイルフィルターハウジング交換には、キャタライザーの取り外しが必要となる構造となっています。
- エンジンの冷却確認 – 火傷防止のため完全に冷ましてから作業開始
- キャタライザーの取り外し – オイルフィルターハウジングアクセスのため脱着
- オイルフィルター取り外し – オイルフィルターケースに溜まっているオイルを抜く
- フィルターハウジング脱着 – 他の部品を傷めない様に慎重に取り外す。
- ガスケット交換 – オイルフィルターハウジングガスケットを新品に交換
交換作業では、オイルフィルターキャップからオイルフィルターハウジングまでのガスケットを全て新品に交換します。
締付けトルクは、マニュアルに記載された規定値を厳格に守り、オイルフィルターキャップ、オイルフィルターケースからシリンダーヘッドの接合部は適用トルク数で締め付けを実施しました。
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STEP
組み立てとオイル漏れ確認
整備完了後の車両確認
ガスケット交換完了後は、各部品を規定トルクで確実に組み付けました。
キャタライザーの取り付けでは、ターボチャージャーとの接合部を締付け、新品のガスケットに交換しています。
全ての組み立て完了後、エンジンを始動してオイル漏れの有無を確認し、ハウジング周辺からのオイル漏れが完全に解消されたことを確認しました。
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オイルフィルターハウジングガスケット交換の費用と予防対策はどのようなもの?
新しいオイルフィルターハウジングガスケットの取付
| GNARLY automobile | 正規ディーラー |
|---|
| 価格 | おおよそ68,000円 | おおよそ100,000円 |
| 納期 | おおよそ3営業日 | おおよそ3営業日 |
工賃を含む総費用
今回のオイルフィルターハウジングガスケット交換修理により、お客様が長期間お困りになっていたオイル漏れは解消されました。
オイルフィルターハウジングからのオイル漏れはガスケットの経年劣化による密閉性の低下が主な原因で、放置するとエンジンオイル量が不足し重大なトラブルにつながります。
目視点検によって、ハウジング接合部のガスケット劣化を確認し、新品ガスケットへの交換と規定トルクでの締付けで問題を根本的に解決いたしました。
交換作業ではキャタライザーの脱着が必要となり、オイルフィルターキャップ、ハウジングの取り付けボルトの締め付けはマニュアル記載の規定トルクを厳守して作業を実施しています。
エンジン下部のオイル汚れや駐車場所への滴下を発見したら早期の専門診断により、安心したカーライフを維持できます。
- オイル交換時の目視点検により、エンジン下部のオイル漏れ跡を定期確認する
- 駐車場所の地面にオイル痕を発見したら早期診断を受ける
- エンジンオイル量の異常な減りに気づいたら専門工場で点検を実施する
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