この記事をご覧のBMWユーザーの皆様の中には、ブレーキディスクローター(ブレーキディスク)の交換時期や適切な部品選びについて気になっている方も多いのではないでしょうか。
ブレーキディスクローターは、ブレーキパッドと協力して車を安全に止めるために最も重要な部品の一つで、タイヤの回転を確実に止める役割を担っています。
ブレーキディスクローターの表面が摩耗や損傷により劣化すると車が止まるまでの距離が長くなってしまい、重大な事故につながる危険性があるため、適切なタイミングでの交換が不可欠です。
そこで今回は、BMWのブレーキディスクローターについて、交換のサインの見分け方や部品の選択肢、さらには交換手順まで、BMW整備士の経験をもとに客観的に解説してみたいと思います。
BMWユーザーの皆様が安心してお車を運転できるよう、お役に立てれば幸いです。
Yusuke Yotsuda
この記事を書いたスタッフ
GNARLY automobile(ナーリー オートモービル)のホームページをご覧いただき誠にありがとうございます!私はこの大好きなBMW/MINIの整備を通じて、お車のサポートは勿論、お客様とより良いお付き合いをさせて頂ければと思っております。その様な関係を築ける様、精一杯のサービスをご提供させていただきますのでお気軽にご相談ください。
BMWグループ認定 保有資格
目次
ブレーキディスクローターに関する基礎知識
BMW Xシリーズ F48 X1 18iのブレーキディスクローター交換の様子
BMWのブレーキシステムには先進技術を活かした高度な安全機能が搭載されています。
ブレーキパッドの摩耗を自動監視するセンサーや横滑り防止装置が備わっており、M3やM5などの高性能モデルでは軽量化と優れた耐熱性を持つ特殊材質の高性能ブレーキディスクローターが採用されています。
最新のBMWにはエネルギー回生システムも搭載されており、ブレーキディスクローターもこのシステムと連携して動作します。
これらの高度な安全システムを正常に機能させるためには、適切な規格と品質基準を満たすブレーキディスクローターの使用が不可欠で、規格に合わない部品を使用するとBMW本来の安全性能を損なう可能性があります。
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【OEM部品】BMWにおすすめのATE(アーテ)ブレーキディスクローター
【優良社外部品】BMWにおすすめのHELLA PAGID(ヘラパジット)ブレーキディスクローター
ブレーキディスクローターの劣化で起こる主な症状と交換時期
新しいブレーキディスクローター(左)と古いブレーキディスクローター(右)の比較
ブレーキディスクローターが劣化すると、最も分かりやすいサインは、ブレーキをかけた時に「ゴーゴー」という低いうなり音や「キーキー」という高い金属音が聞こえることです。
また、ブレーキペダルを踏んだ時にハンドルや車体に「ブルブル」とした振動が伝わってくる場合も要注意で、これらの症状はブレーキディスクローターの表面に溝や凹凸ができていることを示しています。
交換時期は一般的に走行距離50,000~80,000kmが目安ですが、M3やM5などの高性能モデルではスポーツ性の高い運転によりより早期の交換が必要となる場合があります。
問題を放置するとブレーキディスクローターの損傷がさらに進行し、制動力の低下により重大事故につながるリスクがあり、修理費用も大幅に増加するため、早めの対応が重要です。
ブレーキディスクローターの劣化は、運転スタイルや使用環境によって大きく変わります。優しい運転を心がけることで、ディスクローターを長持ちさせることができます。
ブレーキディスクローターの交換手順
BMWのブレーキディスクローター交換は、安全に直結する重要な作業のため、専門の整備工場での作業をおすすめします。
参考として、基本的な手順をご紹介します。
STEP
事前準備とホイールの取り外し
ブレーキフルードを”少し”タンクから抜く
まず、エンジンルーム内のブレーキフルード(ブレーキオイル)を少量抜き取ります。
これは、後の作業でブレーキキャリパーピストンを戻す際にブレーキフルードが逆流し、溢れない様にする為です。
次に、車をリフトアップしてホイールナットを外し、ホイールを取り外します。
STEP
ブレーキパッドとセンサーの取り外し
古いブレーキパッドを取り外す
ブレーキパッド摩耗センサーをブレーキパッドから取り外し、コネクターを分離します。
次に、ブレーキキャリパーを固定しているボルトを外し、古いブレーキパッドを取り外します。
この時、部品の清掃も同時に行います。
STEP
ブレーキディスクローターの取り外し
古いブレーキディスクローターを取り外す
専用工具を使ってブレーキキャリパーのピストンを適切な位置に押し戻します。
ブレーキディスクローターを固定しているボルトを外し、古いディスクローターを取り外します。
ホイールハブの接触面を入念に清掃し、必要に応じて錆を除去します。
STEP
新しいディスクローターとパッドの取り付け
新しいブレーキディスクローターを取り付ける
新しいブレーキディスクローターを取り付け、指定されたトルクでボルトを締め付けます。
新しいブレーキパッドの裏面(摩擦面以外の部分)に専用のブレーキグリスを塗布し、異音の発生を防ぎます。
ブレーキキャリパーとパッドを適切に取り付け、すべての部品を指定されたトルクで締め付けます。
STEP
最終確認とテスト
警告灯がリセットされていること、そしてブレーキ液(フルード)の項目をチェックする
ホイールを元に戻し、ブレーキペダルを数回踏んで縮んだピストンをブレーキパッドに当たるようにします。
その後、専用テスターで警告灯をリセットし、フルードレベルを確認します。
最後にテスト走行で動作確認を行い、新しいディスクローターとパッドの慣らし運転を実施します。
ブレーキディスクローターの交換は専用ツールが必要で、安全に関わる重要な作業のため、専門の整備工場での作業を強くおすすめします。
BMWのブレーキディスクローターの交換でよくあるトラブル事例
- ボルトの締め付け不良によるブレーキキャリパーの脱落事故
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ブレーキキャリパーを固定するボルトの締め付けトルクが不足していたため、走行中にブレーキキャリパーが脱落しブレーキが効かなくなってしまった事例です。BMWの指定トルクは厳密に管理する必要があり、トルクレンチの校正不良や作業者の経験不足が原因となることがあります。
- 安価な社外部品による早期クラック発生
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コストを重視して品質の低い社外部品を使用した結果、交換から半年程度でディスクローターにクラック(ひび割れ)が発生した事例です。特にM3やM5などの高負荷車両では、材質の違いが顕著に現れ、再交換が必要になることで結果的に高コストとなってしまいました。
- ブレーキパッド摩耗センサーの配線不良
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交換作業時にブレーキパッド摩耗センサーの配線を誤って損傷してしまい、警告灯が常時点灯する状態になった事例です。センサー線は非常に細く、ディスクローター取り外し時に巻き込んでしまうことがあり、センサーの交換が必要となります。
- ブレーキフルード漏れによる制動力低下
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ブレーキキャリパーのピストン押し戻し作業を不適切に行った結果、キャリパーシールを損傷してブレーキフルードが漏れ出した事例です。作業完了後しばらくして制動力の低下を感じ、緊急点検で発覚しました。キャリパーの分解修理が必要となり、大幅な追加費用が発生しました。
- ハブ面の清掃不良による異常振動
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古いディスクローターを取り外した際、ホイールハブとの接触面の錆や汚れを十分に除去せずに新しいディスクローターを取り付けた結果、走行時にハンドルに大きな振動が発生した事例です。再度取り外して清掃作業をやり直す必要があり、工賃が二重にかかってしまいました。
BMWにおすすめのブレーキディスクローターとまとめ
HELLA PAGIDのブレーキディスクローター
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【OEM部品】BMWにおすすめのATE(アーテ)ブレーキディスクローター
【優良社外部品】BMWにおすすめのHELLA PAGID(ヘラパジット)ブレーキディスクローター
BMWのブレーキディスクローター交換において、コストと品質のバランスを重視するなら、ATE(アーテ)製のOEM部品やHELLA PAGID(ヘラーパジット)製の優良社外部品がおすすめです。
交換時期は50,000~80,000kmを目安とし、「ゴーゴー」という異音やハンドルの振動が交換のサインで、放置すると制動力の低下による重大事故につながる危険性があります。
交換作業には専用工具と高度な技術が必要なため、信頼できる整備工場での作業が安全かつ確実です。
BMWの高性能ブレーキシステムでは、ディスクローターの状態が車の制動性能に直接影響するため、異音や振動を感じたら早めの点検で安心なカーライフを実現できます。
- BMWのブレーキディスクローターの交換時期は50,000~80,000kmが目安で、「ゴーゴー」という異音やハンドルの振動が交換のサインとなる
- ブレーキディスクローターの劣化は車の制動距離に直接影響し、警告を無視した運転は制動力の低下を招いて重大事故と修理費用の大幅増加につながるリスクがある
- 交換作業では専用工具が必要で、ボルトの締め付け不良や配線損傷など、様々なトラブル事例があるため、信頼できる整備工場での作業が重要
- コストと品質のバランスに優れたATE(アーテ)製OEM部品やHELLA PAGID(ヘラパジット)製社外部品がおすすめで、適切な部品選択と定期点検により安全確保が可能
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【BMWにおすすめのブレーキパッド】交換時期や手順をBMW整備士が解説
BMWのブレーキパッド交換において、コストと品質のバランスを重視するなら、ATE(アーテ)製のOEM部品がおすすめです。BMWの純正部品として実際に採用されているメーカーで、純正品質を維持しながら約20~30%のコストダウンが可能な優れた選択肢となります。交換時期は30,000~50,000kmを目安とし、警告灯の点灯や「キーキー」という異音が交換のサインで、放置するとブレーキディスクの損傷による高額修理につながる危険性があります。交換作業には専用テスターと高度な技術が必要なため、信頼できる整備工場での作業が安全かつ確実です。BMWの高性能ブレーキシステムでは、ブレーキパッドの状態が車の制動力を左右するため、警告灯や異音を感じたら早めの点検で安心なカーライフを実現できます。
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