この記事をご覧のBMWユーザーの皆様の中には、クランクプーリー(バイブレーションダンパー)の交換時期や適切な部品選びについて気になっている方も多いのではないでしょうか。
クランクプーリーは、エンジンのクランクシャフトに取り付けられた部品で、エンジンの振動を吸収してスムーズな回転を実現する役割を担っています。
クランクプーリーが劣化すると、エンジンの振動や異音が発生し、最悪の場合はエンジン内部の部品に深刻な損傷を与える危険性があるため、適切なタイミングでの交換が不可欠です。
そこで今回は、BMWのクランクプーリーについて、交換のサインの見分け方やおすすめの部品、さらには交換手順とよくあるトラブル事例まで、BMW整備士の経験をもとに分かりやすく解説してみたいと思います。
BMWユーザーの皆様が安心してお車を運転できるよう、お役に立てれば幸いです。
Yusuke Yotsuda
この記事を書いたスタッフ
GNARLY automobile(ナーリー オートモービル)のホームページをご覧いただき誠にありがとうございます!私はこの大好きなBMW/MINIの整備を通じて、お車のサポートは勿論、お客様とより良いお付き合いをさせて頂ければと思っております。その様な関係を築ける様、精一杯のサービスをご提供させていただきますのでお気軽にご相談ください。
BMWグループ認定 保有資格
目次
BMWクランクプーリー(バイブレーションダンパー)の特徴
BMW 3シリーズ F31 320dのクランクプーリーを交換する様子
BMWのクランクプーリーには、高性能な振動吸収システムが搭載されています。
エンジンの状態を監視するシステムにより、クランクプーリーの調子をチェックしてエンジン性能を適切に保つ仕組みが備わっています。
特に直列6気筒エンジンやV8エンジンでは、2重構造の振動吸収システムが採用されており、内部の振動吸収材料により高回転域でも安定した動作を実現しています。
BMWエンジンは高出力・高回転型設計のため、クランクプーリーには通常より大きな負荷がかかります。
そのため、BMW向けに設計された適切なクランクプーリーの使用が重要です。
不適切な部品を使用すると、エンジン振動が車体に伝わり、乗り心地悪化や部品の早期劣化を招く可能性があります。
【社外優良部品】BMWにおすすめのContinental製クランクプーリー(バイブレーションダンパー)
クランクプーリーの劣化で起こる主な症状と交換時期
整備が完了したBMW 3シリーズ F31 320d
クランクプーリーが劣化すると、運転中に様々な症状が現れてきます。
最も分かりやすいサインは、エンジン始動時や加速時に発生する「ガラガラ」という金属音や「ゴロゴロ」という低音で、これはクランクプーリー内部の振動吸収材が劣化している警告音です。
また、アイドリング時のエンジン振動増加や、ハンドルやダッシュボードに振動が伝わってブルブルと震える症状、エンジンベルトの異常摩耗やエンジンチェックランプの点灯も見られます。
BMWにおける交換時期は一般的に走行距離100,000km前後が目安ですが、M3やM5などの高性能モデルでは、より高負荷な運転が多いため、やや早めの交換が必要とされています。
問題を放置するとクランクプーリーが完全に壊れ、時にはエンジンのオーバーヒートを引き起こしてしまい、修理費用が大幅に増加するため、早めの対応が重要です。
クランクプーリーの劣化は、運転スタイルや使用環境によって大きく変わります。優しい運転を心がけることで、クランクプーリーを長持ちさせることができます。
クランクプーリーの交換手順
BMWのクランクプーリー交換は、安全に直結する重要な作業のため、専門の整備工場での作業をおすすめします。
参考として、基本的な手順をご紹介します。
STEP
事前準備と安全確保
リフトを使って車を持ち上げる
まず、バッテリーの電源を切断し、エンジンが十分に冷えてから作業を開始します。
リフトで車両を持ち上げ、アンダーカバーやエンジンカバーなど、作業に必要な部分を順次取り外していきます。
STEP
関連部品の取り外し
クランクプーリーにアクセスするため、ベルトテンショナーを緩めてエンジンベルトを取り外します。
その後、作業に支障となるファンやラジエター周辺の部品、必要に応じてスターターなどの周辺部品を慎重に取り外します。
STEP
古いクランクプーリーの取り外し
クランクプーリーを取り外す
専用ツールを使ってクランクシャフトを固定し、クランクプーリーのセンターボルトを慎重に取り外します。
古いクランクプーリーを専用の引き抜き工具で取り外し、同時にフロントクランクシャフトシールも新品に交換します。
STEP
新しいクランクプーリーの取り付け
新しいクランクプーリーの取り付ける
新しいクランクシャフトシールを専用ツールで正確に取り付けた後、新しいクランクプーリーを慎重に装着します。
センターボルトをメーカー指定のトルクと角度で締め付け、クランクプーリーを確実に固定します。
STEP
組み立てと最終確認
リフトをゆっくりと下ろす
取り外した部品を逆の順序で組み立て直し、エンジンベルトを適切なテンションで取り付けます。
バッテリーを接続した後、エンジンを始動して異音や振動がないか確認し、診断機器で故障コードの有無をチェックして作業完了です。
クランクプーリーの交換は専用ツールが必要で、エンジンの心臓部に関わる重要な作業のため、専門の整備工場での作業を強くおすすめします。
BMWのクランクプーリーの交換でよくあるトラブル事例
- センターボルトの締め付け不良によるクランクプーリーの脱落
-
センターボルトの締め付けトルクが不足していると、走行中にクランクプーリーが脱落する重大な事故につながります。BMWのセンターボルトは高いトルクと特定の角度で締め付ける必要があり、作業に不慣れな場合に発生しやすいトラブルです。
- 専用工具不足によるシャフトシールの損傷
-
クランクシャフトシールの取り外しには専用の引き抜き工具が必要ですが、汎用工具で代用しようとすると、クランクシャフトシール本体を損傷してしまうことがあります。修理費用が大幅に増加する原因となります。
- 社外部品の品質不良による早期故障
-
コストを抑えるために安価な社外部品を使用した場合、品質不良により通常よりも早期にクランクプーリーが再び故障することがあります。結果的に短期間での再交換が必要となり、トータルコストが高くなってしまいます。
BMWにおすすめのクランクプーリーとまとめ
Continental製クランクプーリー
【社外優良部品】BMWにおすすめのContinental製クランクプーリー(バイブレーションダンパー)
BMWのクランクプーリー交換において、コストと品質のバランスを重視するなら、Continental(コンチネンタル)製のOEM部品がおすすめです。
BMWの純正部品として実際に採用されているメーカーで、純正品質を維持しながら約20%のコストダウンが可能な優れた選択肢となります。
交換時期は100,000km前後を目安とし、「ガラガラ」という異音が交換のサインで、放置するとエンジン内部の損傷による高額修理につながる危険性があります。
交換作業には専用工具と高度な技術が必要なため、信頼できる整備工場での作業が安全かつ確実です。
BMWの高性能エンジンでは、クランクプーリーの状態がエンジン全体の調子を左右するため、異音や振動を感じたら早めの点検で安心なカーライフを実現できます。
- BMWのクランクプーリーの交換時期は100,000km前後が目安で、「ガラガラ」や「ゴロゴロ」という異音が交換のサインとなる
- BMWの高度な技術(エンジン監視システム、振動制御機能、故障診断システム)を正常に機能させるためには、BMW専用設計の高品質なクランクプーリーの使用が不可欠
- クランクプーリーの劣化はエンジンの振動に直接影響し、異音を無視した走行はエンジンのオーバーヒートなどエンジンの損傷を招いて修理費用の大幅増加につながるリスクがある
- 交換作業では専用工具が必要で、センターボルトの締め付け不良やタイミングのずれなど、様々なトラブル事例があるため、信頼できる整備工場での作業が重要
- コストと品質のバランスに優れたContinental(コンチネンタル)製OEM部品がおすすめで、純正部品と同等の品質を持ちながら価格を約20%抑えることができる
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