この記事をご覧のBMWユーザーの皆様の中には、エンジンマウントの交換時期や適切な部品選びについて気になっている方も多いのではないでしょうか。
エンジンマウントは、エンジンと車体を繋ぎ、エンジンの振動を吸収して快適な乗り心地を保つ重要な部品です。
エンジンマウントが劣化すると、アイドリング時に車体が大きく振動したり、エンジンの位置がずれて他の部品に損傷を与える危険性があるため、適切なタイミングでの交換が不可欠です。
そこで今回は、BMWのエンジンマウントについて、交換のサインの見分け方や部品の選択肢、さらには交換手順やトラブル事例まで、BMW整備士の経験をもとに客観的に解説してみたいと思います。
BMWユーザーの皆様が適切な判断をもとに安心してお車を運転できるよう、お役に立てれば幸いです。
Yusuke Yotsuda
この記事を書いたスタッフ
GNARLY automobile(ナーリー オートモービル)のホームページをご覧いただき誠にありがとうございます!私はこの大好きなBMW/MINIの整備を通じて、お車のサポートは勿論、お客様とより良いお付き合いをさせて頂ければと思っております。その様な関係を築ける様、精一杯のサービスをご提供させていただきますのでお気軽にご相談ください。
BMWグループ認定 保有資格
目次
エンジンマウントに関する基礎知識
エンジンマウントを交換する様子
近年のBMWでは、内部に特殊な液体が封入された「液封エンジンマウントシステム」が採用されており、エンジンの振動を吸収し、室内への振動伝達を抑制する設計となっています。
システム全体が正常に機能するためには、適切な品質のエンジンマウントを使用することが重要で、品質の劣る部品を使用するとBMWの性能を損なう恐れがあります。
【優良社外部品】BMWにおすすめのFebi(フェビ)エンジンマウント
エンジンマウントの劣化で起こる主な症状と交換時期
エンジンマウント
エンジンマウントが劣化すると、最も分かりやすいサインは、エンジン始動時に「ゴトゴト」や「ブルブル」といった振動が車体全体に伝わり、停車中にステアリングやシートに振動が伝わったり、加速時にエンジンルームから異音が聞こえることもあります。
これは内部のゴムが劣化し内部のオイルが抜け出てしまい、振動吸収能力が低下するためです。
BMWにおける交換時期は一般的に走行距離50,000~100,000kmが目安ですがになります。
問題を放置すると、エンジンマウントが完全に破損してしまい、エンジンの位置がずれて周辺部品まで損傷する可能性があり、修理費用が大幅に増加するため、早めの対応が重要です。
エンジンマウントの劣化は、運転スタイルや使用環境によって大きく変わります。優しい運転を心がけることで、エンジンマウントを長持ちさせることができます。
エンジンマウントの交換手順
BMWのエンジンマウント交換は、安全に直結する重要な作業のため、専門の整備工場での作業を強く推奨します。
参考として、基本的な手順をご紹介します。
STEP
事前準備
ヘッドライトを取り外す
まず、エンジンルーム内での作業スペースを確保するため、フロントのアンダーガードを取り外します。
次に、右側のヘッドライトを取り外し、エンジンマウントにアクセスしやすくします。
STEP
エンジンの支持
ジャッキでエンジンとトランスミッションを支持する
エンジンマウントを取り外す前に、専用のジャッキでエンジンとトランスミッションをしっかりと支持します。
この作業により、エンジンが落下することなく安全に作業を進めることができます。
STEP
古いエンジンマウントの取り外し
古いエンジンマウントを取り外す
エンジンマウント周辺のパーテーション(仕切り板)とボルトを取り外します。
その後、クーラントライン(冷却水のホース)を慎重に移動させ、古いエンジンマウントを取り外します。
STEP
新しいエンジンマウントの取り付け
新しいエンジンマウントが取り付ける
新しいエンジンマウントを正確な位置に取り付け、専用工具を使って指定されたトルクでボルトを締め付けます。
クーラントラインを元の位置に戻し、しっかりと固定します。
STEP
最終確認とテスト
故障コードを削除する
すべての部品を元に戻し、エンジンを始動して異音や振動がないかを確認します。
その後、専用テスターで警告灯をリセットし、テスト走行で動作確認を行います。
エンジンマウントの交換はエンジンを支える重要な作業のため、専門の整備工場での作業を強くおすすめします。
BMWのエンジンマウントの交換でよくあるトラブル事例
- エンジン支持不良によるエンジン落下事故
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エンジンマウント交換時にエンジンを適切に支持せずに作業を進めた結果、エンジンが落下する重大な事故が発生したケースがあります。専用のジャッキを使わずに作業すると、エンジンの重量により深刻な人身事故や車両損傷を招く危険性があります。
- ボルトの締め付けトルク不足による再故障
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エンジンマウントの取り付けボルトを適切なトルクで締め付けなかった場合、走行中にボルトが緩んでエンジンマウントが脱落するトラブルが発生します。BMWでは指定されたトルクと角度での締め付けが必要で、作業に不慣れな場合に発生しやすい問題です。
- クーラントライン損傷による冷却水漏れ
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エンジンマウント交換時にクーラントライン(冷却水ホース)の取り扱いを誤り、ホースを損傷させてしまうケースがあります。冷却水が漏れるとエンジンのオーバーヒートを引き起こし、エンジン内部の重大な損傷につながる可能性があります。
- 診断機器によるリセット作業の不備
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エンジンマウント交換後に、BMWの専用診断機器でエラーコードをリセットしなかったため、エンジンマウントを交換する際に登録されたしまった故障コードにより警告灯が点灯してしまうケースがあります。BMW車では部品交換後の電子制御システムのリセット作業が必須となります。
BMWにおすすめのエンジンマウントとまとめ
Febiのエンジンマウント
【優良社外部品】BMWにおすすめのFebi(フェビ)エンジンマウント
BMWのエンジンマウントには純正部品と社外部品の選択肢があり、コストと品質のバランスを考えるとFebi(フェビ)製OEM部品が検討に値する選択肢です。
Febiは純正部品と同等の品質を持ちながら修理費用を20%程抑えることができ、液封構造による優れた振動吸収性能を実現しています。
交換時期については、50,000~100,000kmを目安としつつ、警告灯の点灯や「ゴトゴト」という振動音を見逃さないことが重要です。
このような症状を放置するとエンジンの位置がずれて周辺部品まで損傷し、修理費用が大幅に増加してしまう可能性があるため、専門工場での早めの対応が重要です。
BMWの高性能エンジンではエンジンマウントの状態がエンジン全体の調子に直接影響するため、異音や振動を感じたら早めに点検を受けることが安心なカーライフにつながります。
- BMWのエンジンマウントの交換時期は50,000~100,000kmが目安で、警告灯の点灯や「ゴトゴト」という振動音が交換のサインとなる
- エンジンマウントの劣化は車の快適性に直接影響し、警告を無視した運転はエンジンの位置ずれを招いて周辺部品の損傷により修理費用の大幅増加につながるリスクがある
- 交換作業ではエンジン落下やクーラントライン損傷などの様々なトラブル事例があるため、専用工具と適切な技術を持つ信頼できる整備工場での作業が重要
- コストと品質のバランスに優れたFebi(フェビ)製OEM部品がおすすめで、純正部品と同等の品質を持ちながら価格を20程抑えることができる
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