この記事をご覧のBMWユーザーの皆様の中には、スパークプラグの交換時期や適切な部品選びについて気になっている方も多いのではないでしょうか。
スパークプラグは、ガソリンエンジンにおいて燃料と空気の混合気を爆発させるための火花を発生させる重要な部品で、エンジンの性能に直結する部品です。
スパークプラグの劣化が進むとエンジンの始動不良、加速不良、燃費悪化、さらには走行中のエンジン不調や停止といった深刻なトラブルを引き起こす可能性があります。
そこで今回は、BMWのスパークプラグについて、交換のサインの見分け方やおすすめの部品、さらには交換手順とよくあるトラブル事例まで、BMW整備士の経験をもとに分かりやすく解説してみたいと思います。
BMWユーザーの皆様が安心してお車を運転できるよう、お役に立てれば幸いです。
Yusuke Yotsuda
この記事を書いたスタッフ
GNARLY automobile(ナーリー オートモービル)のホームページをご覧いただき誠にありがとうございます!私はこの大好きなBMW/MINIの整備を通じて、お車のサポートは勿論、お客様とより良いお付き合いをさせて頂ければと思っております。その様な関係を築ける様、精一杯のサービスをご提供させていただきますのでお気軽にご相談ください。
BMWグループ認定 保有資格
目次
スパークプラグに関する基礎知識
BMW 6シリーズ F13のスパークプラグを交換する様子
BMWのエンジンシステムには、一般的なガソリンエンジンとは大きく異なる先進技術が数多く搭載されており、これらの技術がスパークプラグの役割をより重要なものにしています。
まず、多くのBMWには燃料直噴システムが採用されており、燃料をシリンダー内に直接噴射することで燃焼効率を向上させています。
さらに、高度なバルブトロニック(可変バルブシステム)により、エンジンのエネルギーロスを削減し、ターボチャージャーとの組み合わせで小排気量ながら高出力を実現しています。
このような高性能エンジンシステムでは、スパークプラグの点火性能がエンジン全体の効率を大きく左右するため、適切な品質の部品選びが特に重要となります。
燃料直噴システムでは混合気の状態が複雑になるため、確実な点火により高度な技術を本来の性能で発揮させることができるのです。
【OEM部品】BMWにおすすめのBOSCHのスパークプラグ
スパークプラグの劣化で起こる主な症状と交換時期
BMWの警告灯
スパークプラグの劣化は、まずダッシュボードのエンジンチェックランプやチェックエンジンランプの点灯として現れることが多く、BMWの高度な監視システムが的確に交換時期を知らせてくれます。
続いて現れる症状として、朝一番の冷間時にエンジンがかかりにくくなる始動不良、アイドリング中の不安定な回転、アクセルを踏んでも加速が鈍い息つき感、そして燃費の悪化などが挙げられます。
これらは電極摩耗により火花を飛ばす力が弱くなり、混合気を完全燃焼させられなくなることが原因です。
BMWにおける交換時期は、一般的に走行距離50,000~70,000kmを目安としていますが、Mシリーズなどの高性能モデルではスポーツ走行により負荷が大きいため、やや早めの交換が推奨されています。
また、都市部での頻繁なストップ・アンド・ゴーや高負荷運転では劣化が早く進行する傾向にあり、問題を放置すると最終的に高価な触媒まで損傷して修理費用が大幅に増加するため、早めの対応が重要です。
スパークプラグの劣化は、運転スタイルや使用環境によって大きく変わります。優しい運転を心がけることで、スパークプラグを長持ちさせることができます。
スパークプラグの交換手順
BMWのスパークプラグ交換は、安全に直結する重要な作業のため、専門の整備工場での作業をおすすめします。
参考として、基本的な手順をご紹介します。
STEP
事前準備とエンジンカバーの取り外し
BMW 6シリーズ F13
まず、エンジンを十分に冷却させてから作業を始めます。
その後、エンジンカバー(エンジン上部を覆っているカバー)を慎重に取り外し、スパークプラグにアクセスできるようにします。
STEP
イグニッションコイルの取り外し
イグニッションコイルを取り外す
イグニッションコイル(スパークプラグに電気を送る部品)のコネクターを外し、固定ボルトを取り外してイグニッションコイルを引き抜きます。
この時、コネクターや配線を傷つけないよう慎重に作業します。
STEP
古いスパークプラグの取り外し
古いスパークプラグを取り外す
プラグホール(スパークプラグが入っている穴)を圧縮エアで清掃してから、専用ソケットとエクステンションを使用して古いスパークプラグを取り外します。
この時、ゴミがエンジン内部に入らないよう注意深く作業します。
STEP
新しいスパークプラグの取り付け
新しいスパークプラグを取り付ける
新しいスパークプラグを専用ツールに取り付け、まず手でゆっくりとねじ込みます。
その後、トルクレンチを使用して指定のトルク(BMWでは通常23Nm)で確実に締め付けます。
STEP
部品の復元と動作確認
警告灯がリセットされていること、そしてアイドリングが安定していることを確認する
イグニッションコイルとエンジンカバーを逆順で取り付けます。
作業完了後、エンジンを始動してアイドリングが安定していることを確認し、専用テスターで警告灯をリセットして動作確認を行います。
スパークプラグの交換は専用工具が必要で、エンジンの心臓部に関わる重要な作業のため、専門の整備工場での作業を強くおすすめします。
BMWのスパークプラグの交換でよくあるトラブル事例
- 締め付けトルク不足による早期故障とエンジン不調
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スパークプラグの締め付けトルクが不足していると、燃焼室内の高圧ガスが漏れ出し、エンジン不調や早期故障の原因となります。一方で過度な締め付けはネジ山の損傷を招き、修理費用が大幅に増加する危険性があります。BMWでは通常23Nmの正確な締め付けが重要です。
- イグニッションコイル損傷による同時故障
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劣化したスパークプラグを放置すると、点火に必要な電圧が上昇してイグニッションコイルに過度な負荷がかかり、結果的に高価なイグニッションコイルまで同時に故障してしまうケースが多発しています。この場合、部品代と工賃が大幅に増加してしまいます。
- 不適切な部品選択による性能不足とエンジンチェックランプ
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BMWの高性能エンジンに適さない安価なスパークプラグを使用すると、点火性能が不足してエンジンチェックランプが点灯し、始動不良や加速不良が発生します。特に燃料直噴システムでは純正相当品質の部品が必要で、コストを抑えようとして結果的に短期間での再交換が必要になることがあります。
- エンジン内部への異物混入による重大故障
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スパークプラグ交換時にプラグホールの清掃を怠ると、カーボンやホコリなどの異物がエンジン内部に落下し、ピストンやバルブの損傷を引き起こす重大な故障につながります。これは数十万円規模の高額修理となる可能性があり、圧縮エアによる事前清掃が不可欠です。
- 診断機器未使用による警告灯リセット不良
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スパークプラグ交換後に専用診断機器を使用せずに作業を完了すると、BMWの学習機能が適切にリセットされず、エンジンチェックランプが消灯しない、または燃費が改善しないといった問題が発生します。BMWでは交換後の学習値リセットが必須の作業となっています。
BMWにおすすめのスパークプラグとまとめ
BOSCH(ボッシュ)のスパークプラグ
【OEM部品】BMWにおすすめのBOSCHのスパークプラグ
BMWのスパークプラグ選択において、コストと品質のバランスを重視するなら、BOSCH(ボッシュ)製のイリジウムプラグがおすすめです。
BMWの純正部品として実際に採用されているOEMメーカーで、純正品質を維持しながらコストを抑えた選択肢となります。
交換時期は50,000~70,000kmを目安とし、エンジンチェックランプの点灯や始動不良が交換のサインで、放置すると触媒損傷による高額修理につながる危険性があります。
交換作業は専用工具と高度な技術が必要なため、信頼できる整備工場での作業が安全かつ確実です。
BMWの先進エンジン技術では、スパークプラグの品質がエンジン全体の効率を左右するため、適切なタイミングでの交換で燃費向上と走行性能の維持を実現できます。
- BMWのスパークプラグの交換時期は50,000~70,000kmが目安で、エンジンチェックランプの点灯や始動不良が交換のサインとなる
- BMWの先進技術(燃料直噴システム、バルブトロニック、ターボチャージャー)を正常に機能させるためには、品質の確かなスパークプラグの使用が不可欠
- スパークプラグの劣化はエンジンの燃焼効率に直接影響し、警告を無視した走行は触媒の損傷を招いて修理費用の大幅増加につながるリスクがある
- 交換作業では締め付けトルクの管理やエンジン内部への異物混入防止など、様々なトラブル事例があるため、信頼できる整備工場での作業が重要
- コストと品質のバランスに優れたBOSCH(ボッシュ)製スパークプラグがおすすめで、純正部品と同等の品質を持ちながら価格を抑えることができる
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【BMWにおすすめのブレーキパッド】交換時期や手順をBMW整備士が解説
BMWのブレーキパッド交換において、コストと品質のバランスを重視するなら、ATE(アーテ)製のOEM部品がおすすめです。BMWの純正部品として実際に採用されているメーカーで、純正品質を維持しながら約20~30%のコストダウンが可能な優れた選択肢となります。交換時期は30,000~50,000kmを目安とし、警告灯の点灯や「キーキー」という異音が交換のサインで、放置するとブレーキディスクの損傷による高額修理につながる危険性があります。交換作業には専用テスターと高度な技術が必要なため、信頼できる整備工場での作業が安全かつ確実です。BMWの高性能ブレーキシステムでは、ブレーキパッドの状態が車の制動力を左右するため、警告灯や異音を感じたら早めの点検で安心なカーライフを実現できます。
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