BMW E31 8シリーズ 840ciは、BMWの歴史に名を刻む伝説的なグランドツアラーです。
しかし、年式を重ねた高級車両において避けて通れないのが、エンジン周辺部品の経年劣化によるトラブルです。
今回ご紹介するのは、深刻なエンジンオイル漏れにお困りのお客様からご依頼いただいた修理事例です。
診断の結果、シリンダーヘッドカバーの破損とガスケットの劣化が根本原因であることが判明しました。
純正部品の在庫がない状況下で、中古部品の専門的な加工とElring製高品質ガスケットを組み合わせた修理により、お客様の満足を得ることができた事例をご紹介いたします。
Yusuke Yotsuda
この記事を書いたスタッフ
GNARLY automobile(ナーリー オートモービル)のホームページをご覧いただき誠にありがとうございます!私はこの大好きなBMW/MINIの整備を通じて、お車のサポートは勿論、お客様とより良いお付き合いをさせて頂ければと思っております。その様な関係を築ける様、精一杯のサービスをご提供させていただきますのでお気軽にご相談ください。
BMWグループ認定 保有資格
今回、整備をするBMW E31 8シリーズ 840ci
| 項目 | 詳細 |
|---|
| 車種 | BMW E31 8シリーズ 840ci |
| 主な症状 | エンジンオイル漏れ |
| 使用部品 | ヘッドカバー(中古部品)・ガスケット(Elring製) |
| 部品耐用年数(km数) | 10〜15万キロ |
| 車検への影響 | 漏れ発生時は検査不適合 |
修理の概要
目次
オイル漏れの症状と診断および修理作業
STEP
症状:シリンダーヘッドカバー周辺からの深刻なオイル漏れ
お客様のBMW E31 8シリーズ 840ciでは、エンジンからの深刻なオイル漏れが発生していました。
詳細なヒアリングにより、段階的に進行する以下の症状を確認いたします。
- 駐車場汚染 – 一晩でオイルの染みが形成される状況
- エンジンルーム内飛散 – 高温部品への付着による異臭発生
- オイルレベル低下 – 通常より著しく早い補充サイクル
- 環境・安全リスク – 火災の危険性を伴う深刻な状況
症状は車両の信頼性と安全性を大幅に低下させる状況となっていました。
STEP
診断:ヘッドカバー破損とガスケット劣化の特定
エンジンルームを点検する様子
オイル漏れの根本原因を特定するため、詳細な診断を実施いたしました。
シリンダーヘッドカバーを取り外して検査した結果、カバー本体に明確な穴が開いていることを発見しています。
- ヘッドカバー本体 – マグネシウム材質の腐食による穴あき
- ガスケット劣化 – 密封性能の完全な失効
- 修理方針決定 – 両方の部品交換が必要と確定
BMW E31のような高年式車両では、マグネシウム製カバーの腐食破損が珍しくありません。
診断により、シリンダーヘッドカバーとガスケットの交換修理が必要であることが確定いたしました。
STEP
修理:中古部品加工による高品質修理の実現
中古のBMW E31 8シリーズ 840ciのシリンダーヘッドカバー
純正部品の在庫がない状況のため、中古部品を使用した修理をご提案し、お客様にご了承いただきました。
入手した中古シリンダーヘッドカバーに専門的な加工処理を実施いたします。
- 研磨処理 – 腐食部分と純正塗装の完全除去
- 耐熱塗装 – 専用塗料による焼き付け処理
- Elringガスケット – 高品質な密封部品を使用
- 組み付け – メーカー規定の手順と締め付けトルクで施工
加工により純正部品と同等またはそれ以上の耐久性を実現しました。
作業完了後の試運転では、オイル漏れの完全な停止を確認し、修理の成功を確認しています。
シリンダーヘッドカバー交換の費用とオイル漏れ防止の対策
マグネシウムの腐食と純正塗装の剥がれがあるシリンダーヘッドカバー
研磨によりマグネシウムの腐食と純正塗装の剥がれをケア
| GNARLY automobile | 正規ディーラー |
|---|
| 価格 | 約200,000円 | 約400,000円 |
| 納期 | 1~2週間程度 | 1~2週間程度 |
工賃を含む総費用
今回の修理により、お客様が長期間悩まされていた深刻なエンジンオイル漏れは完全に解消されました。
中古部品の専門的な加工とElring製高品質ガスケットの組み合わせにより、純正修理と同等の高い品質を実現いたしました。
適切なタイミングでの修理により、BMW E31 8シリーズ 840ci本来の優れた性能と高い信頼性を維持することができます。
- 交換時期は、10〜15万キロが目安となります
- 駐車場のオイル染みを定期的にチェックする
- エンジンルームから異臭を感じた場合は早期点検を受ける
- 車検時に漏れが発生していると検査不適合となります
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