BMWに限らず輸入車のほとんどは、国産車と比較してとても複雑な構造をしているため、中古車を購入する際は自分の目利きに加えて整備士のチェックを入れられることをおすすめしています。
ここではBMWを購入する際に購入者の方がチェックする必要最低限の項目をBMW整備士の観点から細かく解説いたします。
購入を検討しているBMW中古車を自分の目で診断する
先述のとおり、BMWは国産車と比較してとても複雑な構造をしているため、外観だけでなく、内部またはシステムを詳しくチェックする必要があります。
下記にはBMWの知識がない一般の方でもできる必要最低限のチェック項目の解説をしています。
ボディの注意点



まず、BMWのボディをチェックすることです。目につきやすい部分だけでなく、BMW車体の下や内側もすべてチェックすることが大切です。
小さな傷やシミは、比較的少額の費用で修理でき、BMWの性能にもほとんど影響しませんが、大きなダメージがあったと想定される場合は、ボディ以外の重要な部品にダメージがないかどうかを確認する必要があります。
車体の下やボンネットの中など、外から見えない部分のサビやヒビをチェックすることは、重大な故障を発見するために欠かせないチェックです。
例えば、エンジンルームに不自然な溶接跡があったり、塗装の色が違っていたりする場合は、事故車の可能性が高くなります。
特に、フェンダーやボンネットの内側などによくある塗装されてあるボルトに塗装の欠けや傷等が入っている場合は、修理をしている可能性が高いので注意が必要です。
メーター・警告灯の注意点



BMWのメーターパネルは、ドライバーにBMWの状態を知らせる重要な役割を担っている場所です。
BMWのメーターパネルは、スピードメーター、オドメーター、温度計、ガソリン残量、警告灯など、BMWの状態をドライバーに知らせる重要な役割を担っています。
当然、これらのメーターがすべて正常に機能していなければ困りますし、BMW中古車を購入した直後にダッシュボードに警告灯が表示されていても困ります。
万が一、購入前に警告灯が点灯していたり、何らかの異常が見つかった場合は、事前に整備士に点検してもらうことをお勧めします。
また、車検証には走行距離が記載されていますので、車検証の距離とメーターの距離に不自然な誤差がないかを確認しておくとよいでしょう。
BMWの車両によっては、メーターパネルやi Driveのチェックコントロール機能で状態を把握できるので、見れる車体は購入前にチェックすることをお勧めします。
ライト類の注意点



BMWのライトは、夜間の安全運転や対向車との事故防止のために、正しく点灯させることが求められています。
ライトの状態だけでなく、各レンズに割れがないかどうかも確認する必要があります。
レンズに割れが入っていると、車検に合格しません。
BMWのライト類は、チェックコントロール機能から球切れを簡易的に確認することが可能です。
下記にチェックするライト類を注意点と一緒にまとめました。
- ヘッドライト
ハイビームとロービームの両方が正しく機能していることを確認します。 - ブレーキライト
ブレーキライトが機能していない車を運転することは、違反であると同時に非常に危険です。 - 方向指示器
正面と背面から確認して、正しく動作していることを確認します。 - ハザードライト
これは、路上で故障が発生した場合に、他のドライバーに車両の存在を知らせるための重要な光です。
正しく動作していることを確認します。
タイヤの注意点



タイヤはBMWを構成する最も身近な部品のひとつですが、最も重要な部品といっても過言ではありません。
タイヤは自動車の中でも身近な部品ですが、走る、曲がる、止まる、(車重を)支えるなど、BMWが行うすべてのことに重要な役割を果たすため、最も重要な部品といっても過言ではないしょう。
したがって、BMW中古車を購入する前には、入念にタイヤの状態を確認してください。
具体的には、次の3項目です。
- 空気圧の確認:タイヤの経年劣化を調べます。
- 磨耗の確認:タイヤの溝の深さや偏摩耗を測定します。
- 製造年月日の確認:ほとんどのタイヤには製造年月日が刻印されているため、製造年月日があからさまに古いタイヤは、たとえ溝が残っていても交換する方が良いです。
上記の項目の確認を怠るとパンクやバーストの原因となるため、注意しましょう。



液体関連の注意点



BMWにはさまざまな液体が使われており、それぞれが重要な役割を担っています。
これらの液体はすべて消耗品のため、BMWの中古車を購入する前に、前オーナーがしっかりと交換(残量・液体の状態・物理的な液体の漏れ)したかどうかをチェックする必要があります。
- ウォッシャー液
愛車のフロントガラスをきれいに保つ役割を担っている液体です。
ウォッシャー液が実際に出ているか、窓ガラスの前面に噴射されているかを確認し、ウォッシャー液のタンクに水漏れやひび割れがないか、ノズルが正しく機能するかどうかも確認しましょう。
- エンジンオイル
エンジンを正常に回転させるための役割を担っているオイルです。
オイルフィルター(エレメント)がきれいであること、またはエンジンオイルが黒かったり、ザラザラしているようであれば、交換が必要です。
また、オイルが泡状であったり、チョコレートのように見える場合は、エンジンに冷却水が漏れている可能性があるため修理が必要です。
前オーナーのメンテナンスによっては、エンジンルームにエンジンオイルの交換を示す記録ステッカーが貼られていることもあるため、一つの目安として参考にされるといいでしょう。 - 冷却水
エンジンのオーバーヒートを防止する液体です。
寒冷地では、エンジンやホースにダメージを与える液の凍結を防ぎます。
経年変化で劣化するため、適切な交換が必要です。
- ブレーキフルード
油圧ブレーキに使用される作動油で、ブレーキを正常に作動させるためのオイルです。
正常な状態のブレーキフルードは黄色や透明ですが、ブレーキフルードが黒っぽく見える場合は、交換が必要です。 - パワステフルード
ステアリングの操作をアシストするための圧力を維持し、BMWの運転を容易にする重要なオイルです。
また、金属片が多く混ざっている場合があるため、そのような車両であればパワステポンプなどの交換が必要になってくる場合があります。
正常な状態であれば緑色や赤っぽい色をしていますが、茶色や黒色になっている場合は交換が必要です。



ブレーキ関連の注意点



ブレーキが重要であることは言うまでもありません。
ブレーキにはドラムブレーキとディスクブレーキの2種類があり、現在主流となっているのはディスクブレーキです。
ディスクブレーキは、ブレーキディスク・ブレーキキャリパー・ブレーキホース・ブレーキパッドの4つの部品で構成されています。
ブレーキペダルを踏むと、ブレーキキャリパー内のブレーキパッドが押し出され、ブレーキディスクを挟み込んでBMWを停止させます。
それらの部品は消耗品であるため、BMWを所有するすべての人がきちんとメンテナンスをしていることが必要です。
具体的には、次のようなものです。
- ブレーキディスク
ブレーキディスクは、後述するブレーキパッドに挟まれています。
そのため、ブレーキパッドと同じように磨耗していきます。
偏摩耗やサビがないかを確認し、損傷が激しい場合は、交換が必要です。
BMWのブレーキディスクには限度値が存在するため、限度値を割っているかの確認もしましょう。
- ブレーキキャリパー
外見からは判断しにくいのですが、ブレーキダストなどで汚れている場合は、ブレーキオイルが漏れていたり、ブレーキパッドの片減りが酷い場合は、うまく作動していない可能性があります。 - ブレーキホース
また、ホースの一部がこぶのように盛り上がっている場合は、ホースが破裂してブレーキが効かなくなる可能性があるため、修理されることをお勧めします。 - ブレーキパッド
ブレーキパッドは使用頻度が高くなると、摩耗していきます。摩耗したパッドのままBMWを乗り続けると、ブレーキが効かなくなり、重大な事故につながる恐れがあります。
一般的には、パッドの摩擦材の厚さが3mm以下になったら交換時期と言われています。 - その他の周辺部品
液漏れによる二次災害として、スターターやオルタネーターが正常に機能していないケースが多く見られます。
また、イグニッション(エンジン点火)も確認します。
異常がある場合は、運転席のメーターにエンジンチェックランプが点灯します。
エンジン関連の注意点



エンジンはBMWの動力源であり、さまざまな役割を果たす部品が搭載された重要な部品の一つです。
- 異音
エンジンをかけるとき、アイドリング状態のときに、軽くアクセルを踏んで吹かし、今まで聞いたことのないようなガラガラという音がする場合は、エンジン内部の重大な故障の可能性が高いため注意が必要です。 - 液体漏れ
また、ラジエーターからエンジンまでのすべてのホースや繋ぎ目などをチェックし、漏れがないかを目視で確認することも重要です。 - ベルト
ベルトは、エンジンからの動力を各パーツに伝える役割を担っています。
各ベルトに亀裂、摩耗、伸びがないかを確認します。 - エアークリーナーエレメント
エンジンには、ほこりや汚れを防ぐためのフィルターが装備されています。
フィルターは汚れがたまりやすいので交換することが大切ですが、きちんと交換されていないケースも多いので、必ず確認します。
フィルターが交換されていないと、空気をうまく送れず、燃費が悪くなります。 - その他の周辺部品
液漏れによる二次災害として、スターターやオルタネーターが正常に機能していないケースが多く見られます。
また、イグニッション(エンジン点火)も確認します。
異常がある場合は、運転席のメーターにエンジンチェックランプが点灯します。



バッテリーの注意点



見落としがちなバッテリーの状態をチェックします。
年式の古いバッテリーを積んだBMWは、バッテリーが極端に弱っていることが多いため、たとえジャンプして使える状態に戻せても、すぐに使えなくなってしまいます。
バッテリーの残量が少なくなっていないか、確認することが大切です。



トランスミッションの注意点



長距離走行や前オーナーが過酷な運転を繰り返した場合、トランスミッションに金属疲労が生じ、正常に作動しなくなることがあります。
オートマチックトランスミッションかマニュアルトランスミッションかによってチェックする項目は異なりますが、エンジンをかけて、トランスミッションがスムーズに作動するか、ギアチェンジがスムーズにできるかどうかを確認します。
AT(オートマチックトランスミッション)車の場合は、ギアチェンジの際にショックがないかどうかが重要です。
また、変速ショックやオイル漏れなどがあるミッションは、メンテナンスがされていない可能性が高いため、注意が必要です。
エアコン関連の注意点



BMW中古車の購入後のトラブルで多いのが、エアコンの不調です。
購入前に必ずエンジンをかけ、エアコンの作動を確認しましょう。
- 冷房
空気が冷えない場合は、コンプレッサーの故障やベルトの損傷、エアコンのガスが不足している可能性があります。 - 暖房
エンジンの熱を利用する暖房が効かない場合は、水漏れがしている可能性があるため、温風がきちんと吹き出すか確認しましょう。 - 臭い
エアコンから吹き出す空気の臭いを確認します。カビや悪臭がする場合は、エバポレーターにカビが繁殖している可能性があります。 - 音
冷房と暖房を切り替えたときに、ガラガラ、ジャリジャリという音がしないかどうか確認してください。
エアコン内部の切り替えモーターが壊れていると、音が発生します。
窓の動作(パワーウィンドウ)の注意点



エアコンと同様、窓の故障もBMW中古車の購入後の品質トラブルとしてよくあることです。
エンジンをかけ、窓の開閉が左右、前後とも正常に行われるか、動作や音に問題がないかを確認します。
窓を動かしたときにゴムが一緒に動いてしまうと、窓のモーターやフレームに負担がかかり、故障の原因になるため、窓枠のゴムの確認もします。
プロの整備士にBMW中古車を確認してもらう



中古のBMWを安心して購入するためには、資格を持った整備士にチェックしてもらうのが一番です。
整備士であれば、最低限の項目(ただし、素人では絶対にできない、見逃せない項目)をその場でチェックすることが可能です。
実際、整備士が販売店との間に入ることで、事故車や修理歴なしと表記されているBMWの状態をセカンドオピニオンの立場から正確に判断することが可能になり購入後のリスクを低減することができます。
購入を検討しているBMW中古車の価格交渉をしてみる



最後に購入を検討しているBMWの状態が確認できたら、ダメもとで価格交渉をしてみましょう。
まず、事前にインターネットで同タイプ、同色、同走行距離のBMWの相場を確認し、購入するBMWの価格が適正な範囲に収まっているかどうかを確認しておきます。
車の中古販売店は商売のプロですが、BMWの状態をチェックする整備士でないことも多いです。
車体の状態を理解したうえで価格交渉ができれば、リスクを抑えて購入につなげることができるでしょう。
BMW中古車を購入する際の注意点のまとめ



安心してBMW中古車を購入するためには、ここに挙げた項目以外にもチェックすべき項目がたくさんあります。
一般の方でこれ以上の細かな判断は難しいかと思われますが、中古車販売店で購入する際は、上記の必要最低限の内容を基に交渉ができればリスクを抑えて購入することができます。
当整備工場でもBMW中古車を購入される際のサポートを実施させていただいています。
BMW中古車の販売に関するご相談は気軽にお声がけください。
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電話番号 | 075-204-5022 |
事業内容 | 自動車修理・整備 |
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