この記事をご覧の皆様の中には、BMWのスパークプラグの交換について詳しく知りたい方もいらっしゃることと思います。
スパークプラグはガソリンエンジンにおいて燃料と空気の混合気を爆発させるための火花を発生させる重要なパーツで、エンジンの性能に直結する部品です。
スパークプラグの劣化が進むとエンジンの始動不良、加速不良、燃費悪化、さらには走行中のエンジン停止といった深刻なトラブルを引き起こす可能性があります。
そこで今回は、BMWのスパークプラグについて、交換時期の見極め方から、おすすめのメーカーまで、BMW整備士の経験をもとに詳しく解説してみたいと思います。
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BMWグループ認定 保有資格
目次
BMWのエンジンシステムの基礎知識
交換前の劣化しているスパークプラグBMWのエンジンシステムには、一般的なガソリンエンジンとは異なる先進的な技術が数多く採用されています。
多くのBMWには燃料直噴システム(Direct Injection)が搭載されており、従来のポート噴射と比較して燃焼効率が大幅に向上しています。
また、バルブトロニック(Valvetronic)技術により、スロットルバルブを使わずにバルブリフト量を無段階で制御することで、ポンピングロスを大幅に削減し燃費向上を実現しています。
さらに、多くのモデルにはターボチャージャーが組み合わされ、小排気量でも高出力を発生する効率的なエンジンシステムを構築しています。
このような高度なエンジン技術を搭載するBMWでは、スパークプラグの性能がエンジン全体の効率に与える影響が特に大きくなります。
燃料直噴システムでは燃焼室内の混合気の状態が複雑になるため、質の高いスパークプラグによる確実な点火が不可欠です。
劣化したスパークプラグを使い続けると、これらの先進技術が本来の性能を発揮できなくなり、燃費悪化やエンジン不調の原因となってしまいます。
スパークプラグの交換時期とエンジン警告灯の役割


整備完了後のエンジン警告灯が消灯している様子BMWのスパークプラグの交換時期は走行距離50,000~70,000kmが一般的な目安とされていますが、BMW独自のエンジン管理システムによって、より精密な状態監視が行われています。
BMWのDME(Digital Motor Electronics)は、エンジンの燃焼状態を常時監視しており、スパークプラグの劣化による点火不良を検知すると、エンジン警告灯やチェックエンジンランプが点灯します。
警告灯が点灯した場合は、速やかに点検を受けることが重要です。
放置すると、点火不良により未燃ガスが触媒に流れ込み、高価な触媒コンバーターの損傷を招く可能性があります。
また、警告灯以外にも注意すべき症状があります。
エンジン始動時のかかりにくさ、アイドリング不安定、加速時の息つき、燃費の悪化などが代表的な症状です。
特に冷間時の始動性悪化は、スパークプラグの電極摩耗が進行している明確なサインとなります。
BMWの高性能エンジンでは、これらの症状がより顕著に現れやすく、運転フィーリングの変化として体感しやすいのが特徴です。
スパークプラグの劣化は運転状況や使用環境によって大きく変わります。短距離走行が多い場合は特に注意が必要です。
スパークプラグを交換する過程
BMWのスパークプラグ交換は高度な専門技術と特殊工具が必要な作業で、エンジン性能に直結する重要なメンテナンスです。
整備工場では以下の手順でスパークプラグ交換が実施されます。
STEP
事前準備


BMW 6シリーズ F13まず、エンジンを冷却させてから作業を始めます。
これは、エンジンが温かいときにスパークプラグを取り外すと、シリンダーヘッドのネジ山が破損したり火傷などの怪我をしてしまう可能性があるからです。
エンジンを冷却せずに整備を行うと、火傷や部品の損傷、工具の損傷、作業の精度低下、火災の危険が生じるため、エンジンを十分に冷却させてから整備を行うことが重要です。
STEP
エンジンカバーを取り外す


エンジンカバーを外すエンジンカバーを取り外すことで、スパークプラグにアクセスできます。
これは通常、数か所のボルトまたはクリップで固定されています。
STEP
古いスパークプラグを取り外す


古いスパークプラグを取り外すスパークプラグソケットとエクステンションバーを使用して、古いスパークプラグをゆっくりと緩めて取り外します。
この際、スパークプラグが固着していないか確認し、必要であれば専用のスプレーを使用して固着を解除します。
STEP
新しいスパークプラグを取り付ける


新しいスパークプラグを取り付ける新しいスパークプラグのギャップを確認し、必要に応じて調整します。
その後、スパークプラグを手でゆっくりと締めていきます。
STEP
エンジンの確認とテスト走行


警告灯がリセットされていること、そしてアイドリングが安定していることを確認する作業が完了したら、エンジンを始動し、アイドリングが安定していることを確認します。
その後、車をゆっくり走らせてエンジンの動作を確認し、警告灯が点灯していないことを確認します。
BMWにおすすめのスパークプラグ


BOSCH(ボッシュ)のスパークプラグBMWのスパークプラグには、純正部品と同等の性能を持つOEM部品や社外メーカーの製品が存在します。
純正部品は最高の信頼性を持ちますが、価格が高額になることもあります。
代替品として、BOSCH(ボッシュ)スパークプラグのような品質が高く、純正に匹敵する外部メーカーの部品も優れた選択肢となります。
BOSCHスパークプラグは、BMWのOEM部品として実際に採用されており、純正品と同等の品質と性能を持ちながら価格を抑えることができる優れた製品です。
特にイリジウムプラグは、中心電極にイリジウム合金を使用することで、従来のニッケル合金より6倍の硬度を実現し、電極の摩耗を大幅に抑制しています。
また、電極径を細くできるため、着火性が向上し、BMWの高性能エンジンが要求する確実で安定した点火を実現します。
さらに、BOSCH製品には部品メーカー保証が付いており、万が一の不具合時にも安心してご使用いただけます。
コストパフォーマンスと信頼性を両立したい場合、BOSCH製イリジウムプラグが最適な選択となるでしょう。
【OEM部品】BMWにおすすめのBOSCHのスパークプラグ
BOSCH(ボッシュ)は、当整備工場でも安心して使用できるOEM部品メーカーです。並行輸入品には部品メーカー保証が付かないことが多いので注意してください。
BMWにおすすめのスパークプラグは?交換時期のまとめ


BMW 6シリーズ F13のスパークプラグ交換完了後の確認今回はBMWのスパークプラグについて、交換時期の判断基準から、おすすめのメーカーまで、BMW整備士の視点から詳しく解説いたしました。
BMWのエンジンシステムは、燃料直噴システム、バルブトロニック、ターボチャージャーなど、高度な技術が統合された複雑なシステムです。
だからこそ、エンジンの心臓部であるスパークプラグには、純正品質の部品を選択することが不可欠となります。
交換時期については、50,000~70,000kmを目安としつつも、エンジン警告灯の点灯や始動不良といった症状を見逃さないことが重要です。
放置すると、触媒コンバーターの損傷により修理費用が大幅に跳ね上がってしまう可能性があります。
コストパフォーマンスの観点から、BOSCH(ボッシュ)製のイリジウムプラグがおすすめです。
BMWのOEM部品として採用されており、純正品と同等の品質を持ちながら価格を約30%抑えることができ、部品メーカー保証も付いているため安心してご使用いただけます。
BMWの高性能エンジンでは、スパークプラグの状態がエンジン全体の性能に直結するため、適切なタイミングでの交換が燃費向上と走行性能の維持につながります。
車種やエンジンタイプによって負荷は異なりますが、どのBMWでも定期的な点検と、異常を感じた際の速やかな対応を心がけてください。
BMWユーザーの皆様の快適なドライビングライフのために、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
【OEM部品】BMWにおすすめのBOSCHのスパークプラグ
- BMWのスパークプラグの交換時期は50,000~70,000kmが目安。エンジン警告灯の点灯や始動不良が発生した場合は速やかな交換が必要
- BMWの高度なエンジン技術(燃料直噴、バルブトロニック、ターボチャージャー)を正常に機能させるためには、純正品質のスパークプラグの使用が不可欠で、劣化したプラグでは先進技術が本来の性能を発揮できない
- スパークプラグの劣化はエンジンの燃焼効率に直結するため、警告灯を無視した走行は触媒コンバーターの損傷を招き、修理費用が大幅に跳ね上がるリスクがある
- コストパフォーマンスに優れたBOSCH(ボッシュ)製イリジウムプラグがおすすめで、BMWのOEM部品として採用されており純正品と同等の品質を持ちながら価格を約30%抑えることができ、部品メーカー保証も付いている
- エンジンタイプによる負荷の違い(Mモデルやターボエンジン車)があるものの、どのBMWでもエンジン警告灯の点灯を基準とした定期的な点検と適切なタイミングでの交換がエンジン性能の維持と燃費向上につながる
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